コラム

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『あなたに合った歯磨き粉の選び方』 〜見逃せないポイント!〜

薬局に行くとたくさんの歯磨き粉が売っていて、どれが良いのか迷われる方も多いかと思います。

自分は歯周病があるから歯周病に効きそうな歯磨き粉を選んでいる、歯を白くしたいからホワイトニング効果のある歯磨き粉を選んでいる、、本当にその選び方であなたに合った歯磨き粉が選べているのでしょうか?

 

細かい名前は分からなくても、おおまかな成分がわかるだけでも選び方はきっと変わるはずです。

ご自身で選べるように、基本的な歯磨き粉の選び方をお話します!

 

 

⑴基本の成分

①研磨剤(清掃剤)

…無水ケイ酸、リン酸水素カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムなど

これは歯の表面の汚れを落とす成分です。
簡単に言えば、細かい砥石のようなものが入って、汚れをこすり取るイメージになります。

ホワイトニング効果の高いものにはこの成分が入っていることが多く、使い方によっては歯を傷つけてしまう恐れがあります。

着色が気になる場合には研磨剤入りの歯磨き粉で効果が期待できます。

 

<研磨剤不使用の歯磨きをお勧めするのはこんな人☆>

・しみる症状がある人
→表面が擦れてしみる症状が強くなる場合も。

・電動歯ブラシを使用している人
→手用の歯ブラシよりも歯が削れる可能性が高いため要注意!

☆見分け方のポイント☆
・“研磨剤または清掃剤不使用”の表記

 

②発泡剤

…ラウリル硫酸ナトリウムなど

泡立ちよくする成分で、汚れを落とす手助けをしてくれます。

決して悪い成分ではありませんが、泡立つことで爽快感が増し、短い時間でも歯を磨いた気分になってしまうので要注意!
しっかり磨く順番を決めて、磨き残しがないようにしましょう。

 

③湿潤材

…グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール

歯みがき剤に適度な湿り気などを与えることで、口腔内での操作性を向上させるもの。
パサパサな食べ物だとうまく飲み込めないのと同じようなこと!

 

④粘結剤

…アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カラギーナンなど

粉末成分と液体成分を結合させて分離を防ぎ、歯磨き粉に粘性をあたえて操作性を向上させる役割。

 

⑤香味剤

…サッカリンナトリウム、メントール、ミント類

歯磨き粉に味や香りをつけることで、歯磨き後の爽快感を与える成分。

 

⑥保存料

…安息香酸ナトリウム、パラベン酸

歯磨き粉の品質の劣化を防ぐ成分。

 

 

⑵気になる薬用成分

①虫歯系:フッ化物

…モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化ナトリウムなど

代表的な虫歯の予防成分。

再石灰化(溶けた歯の成分を再び歯に戻してくれる)、脱灰の抑制(溶けるのを防ぐ)、耐酸性の向上(酸に強くなり溶けづらくなる)、細菌の代謝阻害(細菌が酸を出しづらくなる)などの働きを持ちます。

フッ素の濃さをppmという単位で表します。

歯磨剤に含まれるフッ素濃度は
・6歳未満で950ppm
・6歳以上で1450ppm

のものを、年齢に合わせた量を使用することが推奨されています。

基本的にどんな方もフッ素入りの歯磨き粉をお勧めします。
※ただし、すべての歯がインプラントの場合はフッ素は無配合のものを選んでください。

ポイント:フッ素入り歯磨剤を使用している方は、フッ素が口腔内に留まりやすいように、うがいは少量の水(ペットボトルのキャップくらい)で1回のみにしましょう!

 

②歯周病系

・出血防止…トラネキサム酸

・抗炎症作用…ε-アミノカプロン酸、グリチルリチン酸ジカリウムβ-グリチルレチン酸

・殺菌作用…IPMP(イソプロピルメチルフェノール)、塩化セチルピリジニウム(CPC)、トリクロサン

・収れん(歯肉のひきしめ)作用・抗炎症作用・殺菌作用…オウバクエキス

・収れん(歯肉のひきしめ)作用…塩化ナトリウム→つまり塩!

・血行促進…酢酸トコフェロール(ビタミンE)

・歯石形成の抑制…ポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム

③知覚過敏系(しみる人)

・乳酸アルミニウム…象牙細管の封鎖(しみる部分を塞いでくれる作用)、痛み刺激の遮断

・硝酸カリウム…神経鈍麻作用、痛み刺激の遮断

即効性はないが、使い続けることで効果が期待できます!

 

④歯のヤニをとる

・ポリエチレングリコール…ヤニの溶解

 

 

⑶選ぶポイント

⑵―①でも記載しましたが、“全部の歯がインプラント”という方以外みんなに使って欲しいのはフッ素入りの歯磨き粉

虫歯予防のエビデンスがあり、老若男女問わずフッ素入りを選択してください。

 

知覚過敏のある方は、フッ素+知覚過敏効果の成分を。

シュミテクトなどは研磨剤も不使用で、フッ素もしっかり入っているのでお勧めです!

 

歯周病系の成分は、あくまでも補助的な役割

もちろん使用している時に効果は感じられますが、あくまでも歯周病に効果的なのは、汚れをしっかり落とすこと

なので、優先順位は低いと言えます。

 

 

⑷まとめ

市販の物でもいい物はもちろんありますが、歯科医院専売のものもあります。
迷われる方はぜひご相談ください。