鏡を見るたびに、あるいは写真を撮るたびに、過去に入れた「銀歯」が気になっていませんか? 近年、見た目の美しさ(審美性)だけでなく、金属アレルギーの予防や、歯の寿命を延ばすという観点から、銀歯を白い歯にやり変える「再治療」を希望される患者様が非常に増えています。
しかし、いざやり変えようと思うと気になるのが「費用」と「通院回数」ではないでしょうか。 今回は、銀歯を白くやり変える際の具体的な治療の目安や、保険診療と自費診療の違いについて解説します。
目次
なぜ「銀歯のやり変え」が推奨されるのか?
単に「見た目を良くする」だけが、銀歯を白くするメリットではありません。実は、お口の健康を守るためにも、古い銀歯の交換は大きな意味を持っています。
二次カリエス(虫歯の再発)のリスク
銀歯は長年使用していると、接着剤であるセメントが劣化し、歯と金属の間に隙間ができやすくなります。また、金属には展延性があるため境界線が開いてきてしまうこともあります。そこから菌が入り込み、銀歯の下で虫歯が広がってしまう「二次カリエス(二次虫歯)」のリスクが高まります。 セラミックなどの白い素材は、歯との適合性が高く、接着技術も異なるため、この隙間ができにくく、再度虫歯になるリスクを低減できます。
金属アレルギーの予防
長期間、お口の中に金属があると、唾液によって金属イオンが少しずつ溶け出します。これが体内に蓄積されると、ある日突然、金属アレルギーを発症し、肌荒れや手のひらの湿疹などの原因になることがあります。 メタルフリー(金属を使わない)の白い歯に変えることは、全身の健康にとってもメリットがあります。
銀歯を白くする方法と費用の目安

銀歯を白くする方法は、大きく分けて「保険診療」と「自費診療(保険適用外)」の2つがあります。それぞれの費用感と特徴を見ていきましょう。 ※費用はあくまで一般的な目安であり、歯の状態や医院によって異なります。
① 保険診療で白くする(CAD/CAM冠・レジン)
条件を満たせば、保険適用で白い被せ物(CAD/CAM冠など)にすることができます。
- 費用の目安(3割負担の場合):1本あたり 6,000円〜10,000円程度
- 特徴:プラスチックとセラミックを混ぜたハイブリッドレジンなどの素材を使用します。
- メリット:安価に白くできる。
- デメリット:セラミックに比べると強度が低く、長期間使用すると変色やすり減りが起こりやすい。また、すべての歯に適用できるわけではありません(場所や噛み合わせの条件あり)。
② 自費診療で白くする(セラミック・ジルコニアなど)
保険のルールに縛られず、審美性と耐久性に優れた素材を使用します。
- 費用の目安:
- 詰め物(インレー):1本あたり 40,000円〜80,000円程度
- 被せ物(クラウン):1本あたり 80,000円〜160,000円程度
- 特徴:陶器のようなセラミックや、人工ダイヤモンドと言われるジルコニアなどを使用します。
- メリット:天然歯のような透明感があり、変色しません。表面がツルツルしているため汚れが付きにくく、虫歯の再発リスクも最も低いです。
- デメリット:保険が効かないため、費用が高額になります。
治療にかかる期間と通院回数
「銀歯を外して白くする」治療は、虫歯の進行具合によって期間が変わりますが、スムーズに進んだ場合の一般的な流れをご紹介します。
基本的な治療回数:最短2〜3回
銀歯の下に大きな虫歯がなく、単純な交換で済む場合は、最短2回の通院で完了することもあります。
- 【1回目】銀歯の除去・土台の調整・型取り 古い銀歯を外し、中の状態を確認します。少し虫歯があれば削って整え、精密な型取りを行います。この日は仮の蓋や仮歯を入れて帰宅します。
- 【2回目】装着・調整 出来上がった白い歯を試適し、噛み合わせを調整して完全に接着します。
虫歯が進行していた場合:+数回〜数ヶ月
銀歯を外した際、内部で虫歯が神経まで達していたり、根の先に膿が溜まっていたりした場合は、「根管治療(根の治療)」が必要になります。 この場合、型取りをする前に根の治療を完了させる必要があるため、プラスして数回〜数ヶ月の通院期間が必要になります。
銀歯をやり変える際の注意点

歯を削る量が増えることがある
金属は強度が高いため薄く作ることができますが、セラミックや樹脂は一定の厚みを持たせないと割れてしまうことがあります。そのため、銀歯の時よりも少し多めに歯を削る必要があるケースがあります。
一時的にしみる可能性がある
古い金属を外して削り直す刺激により、治療直後は一時的に冷たいものがしみやすくなることがあります。多くの場合は時間が経てば落ち着きます。
まとめ
昔の銀歯を白くすることは、口元のコンプレックスを解消し、笑顔に自信を持つための素晴らしい選択です。さらに、虫歯の再発防止やアレルギー対策といった健康面でのメリットも見逃せません。
- 費用重視なら:保険適用の白い歯(適用範囲に制限あり)
- 美しさと持ちの良さ重視なら:自費診療のセラミック
それぞれにメリット・デメリットがあります。 当院では、患者様のお口の状態やご予算、ご希望に合わせて最適なプランをご提案させていただきます。「まずは相談だけ」でも構いませんので、お気軽にお問い合わせください。