コラム

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『白い被せ物』〜保険が使えるもの、保険適応外のものってどう違う?〜

出来ることなら、金属がきらりと輝くお口よりも、白い歯が良いと考える方は多いのではないでしょうか。

 

近年では金属の高騰に伴い、国の方針でも健康保険での白い歯を入れられる部位が広がりつつあります。
しかし強度の問題から、保険の白い歯を使うには壊れづらいように制限があります。

 

今回は保険適応のものと自費のものの違いをお伝えしていきたいと思います。

 

 

⑴保険の被せ物

まず大原則として、保険の被せ物には『被せてから最低2年間は作り直しができない』というルールがあります。

これは長持ちしない歯に無理に被せ物をしない、被せたからには2年間は最低でも持たせる責任があるということになります。

そのため、被せ物が壊れづらいように入れられるルールが決まっています。

 

保険診療では国から決められたルールに則り、決められた材料の中で被せ物を作ることが定められています。

保険診療で使える白い被せ物には以下のような種類があります。

 

①硬質レジンジャケット冠

強度が弱く近年ではほとんど使用されなくなりましたが、金属を使用せず被せ物全体が、「硬質レジン」という高強度の樹脂(プラスチック)で作られたもの

使用できる歯:前から5本目の歯まで

 

<利点>

・金属を使用していないので金属アレルギーの方にも使える

・歯茎に金属色がうつらない

・費用が安価

 

<デメリット>

・強度が弱い

→現在より強度のあるCAD/CAM冠が保険適応になったため、使用されることはほぼなくなった

・経年的に変色しやすい

・汚れがつきやすい

 

 

②レジン前装冠

金属の土台の上に硬質レジン(白いプラスチック樹脂)を貼り付けたもの。
歯の裏側は金属ですが、外から見える部分は白い樹脂となっているため前歯に使用されます。

 

使用できる歯:

・前から3番目の歯まで

・ブリッジ(抜いた歯の両サイドの歯を土台として繋げた被せ物)の支えに使う場合は4番目の歯まで

 

<メリット>

・土台が金属なので強度が高い

・連結ができる

 

<デメリット>

・金属が使われているので、歯茎に金属色がうつることがある

・表面の樹脂の部分は経年的に変色する

・金属と樹脂の境界から剥がれることがある

 

 

③CAD/CAM冠(キャドキャム冠)

セラミックと硬質レジンを混ぜたブロックから作られる白い被せ物。
徐々に使える歯が増え、2020年から前歯まで使用可能となりました。

 

使用できる歯:

・前から5本目までの歯

・前から6番目の歯

※7番目の歯が4本ともある場合のみ

 →金属に比べると強度が弱いため、力がかかりすぎないようにこのように決められています。

・前から7番目の歯

 ※医科で金属アレルギーの診断を受けた場合のみ

 

<メリット>

・金属を使用していないので、歯茎に金属色がうつらない

・従来の硬質レジンジャケット冠と比べ、強度が高い

・銀歯に比べて見た目が良い

・保険で6番目の歯まで使える唯一の白い歯(制限あり)

 

<デメリット>

・金属と比べて厚みが必要

→その分、削る量が多い

・金属と比べ割れるリスクが高い

・金属と比べ、外れやすい

・経年的に変色する恐れがある

・届出を出している施設でしか入れられない

 

 

⑵保険外の被せ物

保険外の被せ物には、制限がありません。使用する材料や設計、費用も全て病院ごとで指定することができます。

保険外で使う被せものには主に以下のものが挙げられます。

 

①e.max(イーマックス)

正式名称は「エンプレス・マックス」ですが、一般的に「イーマックス」と呼ばれる二ケイ酸リチウムを主成分としたセラミック素材。

使用できる歯:前から6番目の歯まで

 

<メリット>

・金属アレルギーの心配がない

・天然歯と同じくらいの強度

・色調の変化が少ない

・やや透明感がある

 

<デメリット>

・前歯の先端などの透ける感じはジルコニアボンドに劣る

・6番目の歯などはかけやすい

 

 

②メタルボンド

金属の土台の上にセラミックを貼り付けたもの

使用できる歯:すべての歯

 

<メリット>

・金属の範囲を指定することができる

→力のかかる部分のみ金属にすることができる

・周りの歯と色調を合わせることができる

・金属の土台部分をつなげて連結することができる

 

<デメリット>

・金属を使用しているので、歯茎に金属色がうつる可能性がある

・金属からセラミックが剥がれることがある

 

 

③ジルコニア

強度の高い人工ダイアモンドとも言われる材料。

使用できる歯:奥歯(目立たないけど力がかかる歯)

 

<メリット>

・強度が高いため、奥歯に適している

・強度が高く、連結することができる

・被せ物が変色しない

・金属を使用していないので、歯茎に色がうつらない

・生体親和性に優れる

・汚れがつきにくい

 

<デメリット>

・透明感はないため、前歯には適さない

・とても硬いので、噛み合わせに注意が必要

 

 

④ジルコニアボンド

ジルコニアの土台にセラミックを盛り付けたもの。

使用できる歯:すべての歯

 

<メリット>

・セラミックを重ねることにより、前歯の透明感なども綺麗にでる

・強度が高い

 

<デメリット>

・費用が高い

 

 

⑶まとめ

現在保険でも白い歯が使える範囲が増え、今までよりも保険内で金属を使用せずに治療できる部分がほとんどになりました。

しかし保険治療には制限が多く、使える材料や形などの自由度が低いのも事実です。長期的に見た時に保険外のものの方が変化が少なく、長持ちする可能性を引き上げてくれるため、費用が許せば保険外のものも検討してみてはいかがでしょうか。